雲の梯(読み)クモノカケハシ

デジタル大辞泉 「雲の梯」の意味・読み・例文・類語

くも‐の‐かけはし【雲の×梯】

雲がたなびくさまを、かけはしに見立てた語。
天の川―いかにしてふみ見るばかり渡し続けむ」〈落窪・一〉
深い谷間の空中高くかけ渡した橋。
「水青きふもとの入江霧晴れて山路秋なる―」〈風雅・雑上〉
宮中を「雲の上」にたとえて》宮中の御階みはし
「昔見し―変はらねど我が身一つのとだえなりけり」〈風雅・雑下〉

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精選版 日本国語大辞典 「雲の梯」の意味・読み・例文・類語

くも【雲】 の 梯(かけはし)

  1. 雲がたなびいているさまをかけはしに見立てていう語。
    1. [初出の実例]「おほぞらもくものかけはしなくばこそかよふはかなきなげきをもせめ」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
  2. 深い谷などの高い所にかけ渡した橋。
    1. [初出の実例]「水青き麓の入江霧晴れて山路秋なる雲のかけはし〈藤原良経〉」(出典:風雅和歌集(1346‐49頃)雑上・一五四三)
  3. ( 宮中を雲の上にたとえて ) 宮中の階段。
    1. [初出の実例]「蔵人にて冠賜はりける日よめる 限りあれば天の羽衣ぬぎかへておりぞわづらふ雲の梯〈源経任〉」(出典:後拾遺和歌集(1086)雑三・九七八)
  4. 城を攻める時に用いた長いはしご。雲梯(うんてい)
    1. [初出の実例]「其勢五千余騎、久かたや雲の梯引おとし、分取高名、我も我もとおもはれける」(出典:御伽草子・精進魚類物語(類従所収)(室町末))

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