雲学(読み)くもがく(その他表記)nephology

翻訳|nephology

日本大百科全書(ニッポニカ) 「雲学」の意味・わかりやすい解説

雲学
くもがく
nephology

雲の形態について研究する気象学の一分野。現在の気象学では、このことばはほとんど使われない。ラジオゾンデによる高層気象観測が行われなかった19世紀以前は、上空の大気の状態を知り、天気予報を行うのに、雲の観察が有力な方法であった。このため、雲の形態と気象との関係を調べる雲学は気象学のなかで重要な位置を占めた。1896~1897年(明治29~30)にかけては、各国が協力して雲高と雲速を観測したので国際雲年(くもねん)といわれる。20世紀に入ると、上空の風や気温が直接測定できるようになり、これと並行して雲学の研究は衰退した。しかし、気象衛星による雲の広範囲な分布が得られるようになると、地上観測ではわからなかったさまざまな雲の形態が発見され、現在ではふたたび雲学的な研究が盛んに行われている。なお、雲粒や降水粒子の形成など雲の内部の微視的な物理過程を研究する分野は、雲物理学とよんで雲学とはいわない。

[木村龍治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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