電位障壁(読み)でんいしょうへき(その他表記)potential barrier

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電位障壁」の意味・わかりやすい解説

電位障壁
でんいしょうへき
potential barrier

空間的な電位分布に電位の差が生じていて,あるところから電位が高くなっていると,電荷の移動はこれによって妨げられる。一般にこれを電位障壁と呼ぶ。半導体中の電子や正孔に対する電位障壁をさすことが多く,金属と半導体の接合部に形成されたショットキー障壁や,半導体のp-n接合部の空乏層に形成された電位障壁などがその例である。これらは電子や正孔の移動に対して障壁として働き,電流-電圧特性が整流性を示す原因となる。ダイオードトランジスタなどの半導体素子には,電子や正孔に対する電位障壁の作用を利用するものが多い。このほか,半導体の表面や半導体中の結晶粒界などにも電位障壁が形成される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android