障壁(読み)ショウヘキ

化学辞典 第2版「障壁」の解説

障壁
ショウヘキ
barrier

一般に,粒子系がある変化をするときに越えなければならないポテンシャル障壁をいう.【金属半導体あるいは半導体どうしを接触させると,両者フェルミ準位が一致するため,半導体の表面付近エネルギー準位の曲がりによりポテンシャルの山が生じる.これを電位障壁あるいは単に障とよぶ.この障壁の厚さは数 μm 以下である.【分子が化学変化をするとき,原系と生成系との間にあるポテンシャルの山(活性化エネルギー)を越えなければならない.また,一重結合のまわりで両側原子団が回転するときにもポテンシャル障壁がある(分子内回転).原子核α崩壊で,α粒子は核表面にある障壁を透過して放出される.一般に,障壁の高さが低く,壁の厚さが薄いほどトンネル効果の確率は大きくなる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「障壁」の解説

障壁
しょうへき
barrier; blocking layer

ポテンシャル障壁と同じ意味であるが,普通は半導体のキャリアに対するものをさす。正孔濃度の大きいp型の半導体と電子濃度の大きいn型半導体を接合させると,正孔と電子とは拡散によって互いに他の領域に侵入して,一様な濃度になろうとする。キャリアの移動により境界の付近で,p領域はに,n領域は正に帯電して,キャリアの移動を妨げる電位障壁が生じる。境界のところでは正孔と電子とは中和して正孔も電子もない絶縁層すなわち空乏層ができ,キャリアの移動を妨げる障壁となる。この層の存在のため整流作用が起る。障壁はn型半導体と金属とを接触させた場合のショットキー障壁によってもできる。

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精選版 日本国語大辞典「障壁」の解説

しょう‐へき シャウ‥【障壁】

〘名〙
① へだてのかべ。また、かこいのかべ。しきり。かこい。
日本外史(1827)一〇「吾受命守之。失一障壁、吾之恥也」
② さまたげ。じゃま。へだて。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三「直線に世を渡らふとする者の前には如何様(どん)な障壁陥穽があるとも知らず」
③ それまでの経験や観念によって自分の行動の自由を阻害する、つくり出された意識上の境界。

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デジタル大辞泉「障壁」の解説

しょう‐へき〔シヤウ‐〕【障壁】

へだてや仕切りのための壁。
妨げるもの。じゃま。「外交の障壁を取り除く」
[類語](1白壁白亜粗壁なまこ壁城壁塁壁防壁外壁内壁隔壁胸壁壁面/(2邪魔妨害阻害そがい掣肘せいちゅう干渉横槍よこやり障害支障さわ邪魔だて水を差す水をかける足を引っ張る挫く弱める砕く削ぐ圧伏圧殺抑える妨げる遮る立ち塞がるせきとめる制止捕まえる握る挟む押しとどめるストップを掛ける封殺諫止阻む食い止める立ちはだかる遮断妨害阻止ブレーキが掛かる腰を折る

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