日本大百科全書(ニッポニカ) 「電磁ログ」の意味・わかりやすい解説
電磁ログ
でんじろぐ
electro-magnetic log
導体が磁界を直角に横切って移動するとき導体に電圧が誘起されるというファラデーの電磁誘導の法則を応用した船の速力計。速力検出部が水中を走ると、電極に誘導電圧が発生する。電圧をEボルト、電極間の距離をdセンチメートル、磁束密度Bガウス、流速をvセンチメートル毎秒とすると、
E=dBv×10-8
である。検出部を船底に突出させて、発生する電圧を増幅して指示器に伝え速力を表示する。速力信号を時間積分すると航程が求められるので、速力計と航程計が一体になっているのが普通である。ログは重要な航海計器の一つで、船舶には装備が義務づけられているが、前・後進を問わず、微低速から高速まで精度のよい電磁ログが大半を占めている。
[飯島幸人]