霊長類学(読み)れいちょうるいがく(英語表記)primatology

翻訳|primatology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「霊長類学」の意味・わかりやすい解説

霊長類学
れいちょうるいがく
primatology

霊長類を対象とする学問。霊長類には,ヒトならびに類人猿も含まれるため,単に動物学の一部門とはいいがたく,独特の方法論と意義をもち,形態,生理機構,心理生態遺伝,社会など各方面から研究が進められている。人類認識のうえからも重要であるが,一方実験動物としての応用面からの研究も重要視され,欧米では各地に研究所があり,研究書も多い。日本でもモンキーセンター (愛知県犬山) や,京都大学付属の霊長類研究所が創設されて,近年急速に発達しつつある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の霊長類学の言及

【自然人類学】より

…集団間変異のなかで最も重要なものが時間と地域による変異で,自然人類学の中心的研究課題や分野もほぼこの二つに関連したものである。時間的変異を研究する分野には霊長類学と古人類学とが含まれ,前者は第三紀化石霊長類,現生霊長類の形態・生理・生化学的研究を通じてヒトの起源の解明に迫ろうとするものである。後者は,第三紀鮮新世に出現し,第四紀洪積世末に現生人類が出現するまでの洪積世人類の進化過程を明らかにしようとするもので,過去の遺物の絶対年代を推定する年代学,古環境を復原する古生態学,旧石器文化を研究する考古学なども見方によってはこの分野に入れられる。…

【動物学】より

…やがて19世紀のC.ダーウィンの登場によって,動物学は新しい局面を迎え,現代生物学の一分野として統合されるに至った。 なお動物学を,その研究対象に応じて,昆虫学entomology,鳥学(鳥類学)ornithology,哺乳類学mammalogy,魚類学ichthyology,貝類学conchology,霊長類学primatologyなどと呼ぶことも多い。生物学【日高 敏隆】。…

※「霊長類学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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