日本大百科全書(ニッポニカ) 「青ナイル川」の意味・わかりやすい解説
青ナイル川
あおないるがわ
Blue Nile
アフリカ北東部を流れるナイル川の二大支流の一つ。エチオピア高原のタナ湖(標高1800メートル)に発し、南東へ200キロメートルほど流れたあと350キロメートル西流し、さらに700キロメートルほど北西へ流下し、スーダンの首都ハルトゥームで白ナイル川と合流しナイル川本流となって北流する。6~9月の雨期にエチオピア高原の西斜面に降る雨で増水し、その水量はナイル川本流の水量の68%に達する。しかし渇水期にはわずか17%である。古代から有名なナイル川の季節的な流量変化は、おもにこの青ナイル川とアトバラ川の流量変化によっている。なお、青ナイル川はアラビア語でバール・エル・アズラクBahr el Azraq、エチオピアのアムハラ語でアバイAbbai川とよばれる。
[堀 信行]