非イオン界面活性剤(読み)ヒイオンカイメンカッセイザイ

デジタル大辞泉 「非イオン界面活性剤」の意味・読み・例文・類語

ひイオン‐かいめんかっせいざい〔‐カイメンクワツセイザイ〕【非イオン界面活性剤】

水溶液中でイオンに解離しない界面活性剤総称親水基として水酸基エステル基親油基としてアルキル基をもつものが知られる。乳化剤安定剤洗剤などに用いられる。非イオン活性剤ノニオン界面活性剤

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化学辞典 第2版 「非イオン界面活性剤」の解説

非イオン界面活性剤
ヒイオンカイメンカッセイザイ
nonionic surfactant, nonionic surface active agent

非イオン表面活性剤ともいう.水溶液中でイオンに解離することなく界面活性を示す界面活性剤をいう.分子中にヒドロキシ基-OH,エーテル結合-O-,エステル基-COOR,カルバモイル基-CONH2などの親水性原子団と,アルキル基やアルキル置換アリール基などの長鎖の親油性原子団とを有する.たとえば,酸化エチレン系(アルキルアリールエーテル型,アルキルエーテル型,アルキルアミン型など),多価アルコール脂肪酸エステル系(グリセリンの脂肪酸エステル型,アンヒドロソルビトール脂肪酸エステル型など),ポリ(エチレンイミン)系など非常に多くある.種類およびHLB(hydrophile-lipophile balance,親水性親油性のバランス)などによっていろいろな用途があり,主として乳化剤,分散剤,精練剤,洗浄剤,湿潤剤染色助剤,鉱油系添加剤,および食品工業など多方面に用いられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「非イオン界面活性剤」の意味・わかりやすい解説

非イオン界面活性剤【ひイオンかいめんかっせいざい】

水に溶けてもイオンに解離することのない界面活性剤。一般にはポリオキシエチレン鎖や水酸基が親水基として働き,アルキル基が疎水基(親油基)となる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルR−O(CH2CH2O)(/n)Hなど。

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改訂新版 世界大百科事典 「非イオン界面活性剤」の意味・わかりやすい解説

非イオン界面活性剤 (ひイオンかいめんかっせいざい)

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世界大百科事典(旧版)内の非イオン界面活性剤の言及

【界面活性剤】より

…そのほか,化学構造別,合成法別,用途・性能別,または原料別に分類されるが,合成化学の立場では次のように分類整理をするのが一般的である。 水溶性界面活性剤はその界面活性を示す主体である親水基の性質によりイオン界面活性剤と非イオン界面活性剤に大別される。前者はさらに親水基が陰イオンであるか陽イオンであるかにより陰イオン界面活性剤,陽イオン界面活性剤に区別され,分子内に陽イオン,陰イオン構造を同時に含むものを両性界面活性剤という。…

【合成洗剤】より

…(1)台所用洗剤 洗浄時に野菜,果実の外観,味,においを損ぜず,残留性が少ないこと,またとくに使用時の手荒れなどが少ない安全性を考慮したものでなければならない。このため洗剤成分としては,直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(略称LAS),アルキル硫酸エステルナトリウム(AS),アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(AES),α‐オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS),アルキルスルホン酸ナトリウム(SAS)等の陰イオン界面活性剤,ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル(APE,POE・P),脂肪酸アルカノールアミド(DA)等の非イオン界面活性剤,そのほか両性界面活性剤等が用いられる。現在の台所用洗剤の主流はアルキル鎖長の平均がC12のLAS,AESで,AESの酸化エチレン付加数が2~3のものである。…

※「非イオン界面活性剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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