日本大百科全書(ニッポニカ)「疎水基」の解説
疎水基
そすいき
hydrophobic group
長鎖のアルキル基やフルオロカーボン鎖、あるいはベンゼン環や脂環式の原子団をさす。親油基oleophilic groupともいう。これらの原子団は水分子と水素結合をつくりにくい。つまり水との親和性に乏しい。これらの原子団に水素原子をつけて化合物をつくると、例外なく水に不溶・難溶のものとなる。逆にケロシンやベンゼンなど油溶性の化合物とはよくなじみ、溶解度も大きい。せっけんやABSその他の界面活性剤は、親水基と疎水基の両方を分子内にもっており、したがって油と水との界面に群がる。このために界面張力に大きな変化を引き起こすのである。
[山崎 昶]
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