化学辞典 第2版 「非ウェルナー錯体」の解説
非ウェルナー錯体
ヒウェルナーサクタイ
non-Werner complex
アンミン錯体,アクア錯体などのウェルナー錯体と異なるカルボニル錯体,アリル錯体などの総称.いずれも金属-炭素間結合を少なくとも一つはもっている.ウェルナー錯体は,中心金属原子と配位子の結合がσ結合で,静電的な部分が強いのに対し,非ウェルナー錯体は,中心金属原子のd軌道と配位子の反結合性π軌道の重なりにもとづく逆供与による部分が強いのが特徴である.ウェルナー錯体が塩の性質を示すものが多いのに対し,非ウェルナー錯体はイオン性が少ない.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報