π軌道(読み)パイキドウ

化学辞典 第2版 「π軌道」の解説

π軌道
パイキドウ
π orbital

二重結合三重結合を説明する際に現れる分子軌道一種本来は,二原子分子の二重結合を表すために考えられたが,エテンの二重結合(σ結合とπ結合からなる)やアセチレンの三重結合(σ結合と二つのπ結合からなる)でも構造的に似ているので,拡張して使われている.π軌道は,二つのp軌道が図のように組み合わさって反結合性の π* 軌道と対になって生じる.[別用語参照]等核二原子分子

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「π軌道」の意味・わかりやすい解説

π軌道
パイきどう
π-orbital

π オービタルともいう。π結合を形成している電子の存在する領域をいう。

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世界大百科事典(旧版)内のπ軌道の言及

【化学結合】より

…しかし分子軌道法の立場からは,6個の炭素原子のp軌道の一次結合をとることによって3個ずつの結合性軌道と反結合性軌道ができるので,前者に2個ずつの電子を入れると考えればよく,非常にすっきりする。このような分子軌道をπ軌道と呼び,共役二重結合をもつ分子に特有のものである。分子軌道法はこのような分子を扱ううえで有力な方法とされ,その電子的な諸性質を理解するうえで,分子軌道法が果たした役割は非常に大きい。…

※「π軌道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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