化学辞典 第2版 の解説
非ベンゼノイド芳香族化合物
ヒベンゼノイドホウコウゾクカゴウブツ
nonbenzenoid aromatic compound
ベンゼン系化合物以外で芳香族性を示す共役炭素環状化合物の総称.(4n + 2)個のπ電子の非局在化が芳香族炭化水素に安定性をもたらすというヒュッケル則を指導原理として,またその限界を検討するため,数多くの非ベンゼノイド芳香族化合物が合成されている.いくつかの例を図に示す.アズレン,トロポノイドなどは天然物から見いだされ,[4n+2]アンヌレンも合成された.また,シクロプロペニルカチオン,シクロペンタジエニルアニオン(フェロセン),トロピリウムイオンなどのイオン種もある.シクロペンタジエンや[16]アンヌレンなどの4n個のπ電子をもつ系は不安定で芳香族性を示さない.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報