ヒュッケル則(読み)ひゅっけるそく(英語表記)Hückel rule

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒュッケル則」の意味・わかりやすい解説

ヒュッケル則
ひゅっけるそく
Hückel rule

1931年にドイツヒュッケルによって発表された、芳香族化合物安定性に関する理論的法則。4n+2則ともいう。この法則によれば、有機化合物芳香族性をもつためには、(1)分子が平面構造の環状共役π(パイ)電子系をもち、π電子が非局在化していること、(2)π電子が4n+2個存在することが必須(ひっす)である。この法則を証明する実験事実が次々と得られ、4n+2個のπ電子をもつ非ベンゼン系芳香族化合物多数合成されている。

[向井利夫・廣田 穰 2015年7月21日]

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