非鉛系圧電材料(読み)ひなまりけいあつでんざいりょう(英語表記)lead‐free piezoelectric materials

知恵蔵 「非鉛系圧電材料」の解説

非鉛系圧電材料

酸化鉛を使用しない環境負荷低減型圧電材料。電圧をかけると結晶が歪む圧電セラミックス材料としては、現在、優れた圧電特性を示す鉛系のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックスが、圧電アクチュエーター、圧電振動子などの精密部品として、電子機器や自動車に使用されている。欧州では鉛、水銀カドミウムなどの有害元素の使用を禁止する法律(RoHS〈ローズ指令〉)が2006年7月から施行されたが、優れた性能面から鉛系のPZT使用は規制対象から外された。その背景には、PZTに匹敵あるいは上回る特性を有する圧電材料がなかったという事情がある。しかし、最近ニオブ・タンタル酸塩系でPZT系並みの特性が報告され、非鉛系圧電材料の開発が急速に推進されている。

(岡田益男 東北大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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