鞍谷村(読み)くらたにむら

日本歴史地名大系 「鞍谷村」の解説

鞍谷村
くらたにむら

[現在地名]武生市入谷いりたに町・中居なかい町・蓑脇みのわき

味真野あじまのの東、鞍谷川の谷奥にある。鞍谷は、嘉元四年(一三〇六)六月一二日付昭慶門院御領目録(竹内文平氏所蔵文書)に「越前国一品勅旨御管領 頼泰 気比社 鞍谷」とみえ、皇室領があったことがわかる。東西に延びる鞍谷の谷口に位置する池泉いけいずみ霊泉れいせん寺の延徳三年(一四九一)の文書に「倉谷霊泉寺」とあり、この東側に鞍谷御所の遺名があり、さらに永禄一一年(一五六八)在銘の梵鐘(現三重県飯南郡飯南町来迎寺蔵)にみえる鞍谷長屋くらたにながや村は池泉の北にある五分市ごぶいちをさす(城福寺過去帳)などのことから、中世の鞍谷は鞍谷川のつくる扇状地味真野をも含む広範な地域であったことが想定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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