…交響詩の先駆としては,管弦楽による標題音楽,とくに標題交響曲(ベルリオーズの《幻想交響曲》など)があるが,これが多楽章形式なのに対して,交響詩は一般に単一楽章形式の場合に用いられる。交響詩の直接の出発点になったのは,ベートーベンの《エグモント》序曲,メンデルスゾーンの《フィンガルの洞窟》などの演奏会用序曲で,またレーウェはすでに1830年に詩人バイロンの作品にもとづく管弦楽作品《マゼッパ》に〈音詩〉の呼称をあたえ,この名はR.シュトラウスも愛用した。リストによる交響詩の名称の使用は,音楽と詩の密接な結合によって音楽を革新しようという彼の理念を示している。…
※「音詩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」