…武者小路実篤に近い思想家的色彩の強い作家といえる。自らの失恋と恋愛結婚を描いた《盲目の川》(1914),《彼等の運命》(1915‐16)の長編小説によって作家としての自己を確立し,次いで強烈な個性どうしの葛藤を描いた戯曲《項羽と劉邦》(1916‐17)によって劇作家として認められ,人道主義作家として文壇で活躍する。その後,大正期後半の代表作としては短編小説《青銅の基督》(1923)と長編の教養小説《竹沢先生と云ふ人》(1924‐25)がある。…
※「項羽と劉邦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」