願は(読み)ねがわくは

精選版 日本国語大辞典 「願は」の意味・読み・例文・類語

ねがわく‐は ねがはく‥【願は】

〘副〙 (動詞「ねがう(願)」のク語法助詞「は」が付いてできたもの。語源意識が失われて「ねがわくば」とも) 願うところは。望むことは。多く、願望希望表現を伴って、ひたすら願う意を表わす。どうか。こいねがわくは。漢文訓読から用いられた語法で、現代でも、文語調の文体に用いられる。
霊異記(810‐824)上「祈(ネガハクハ)奇記を覧(み)る者、邪を却(しりぞ)け、正に入り、諸悪作(な)すこと莫(な)く、諸善奉行せむことを〈興福寺本訓釈 祈 禰加波久波〉」
山家集(12C後)上「ねがはくは花のしたにて春死なんそのきさらぎ望月の頃」

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