風早・風速(読み)かざはや

精選版 日本国語大辞典 「風早・風速」の意味・読み・例文・類語

かざ‐はや【風早・風速】

[1] (「はや」は形容詞「はやい(早)」の語幹) 風が激しく吹くこと。多く、「かざはやの」の形で、風の激しく吹く土地の形容として用いられる。
万葉(8C後)三・四三四「加座(カザハヤ)の美保の浦廻(うらみ)の白(しら)つつじ見れどもさぶし亡(な)き人思へば」
倭姫命世記(1270‐85頃)「伊勢加佐波夜(カザハヤ)の国は、美宮処に在りと」
[2] 歌枕。広島県東広島市安芸津町風早か。
※万葉(8C後)一五・三六一五「わが故に妹嘆くらし風早(かざはや)の浦の沖辺(おきへ)に霧たなびけり」
[補注](1)(一)は地名とする説、「かざはやの」で地名「美保」にかかる枕詞とする説もある。
(2)(一)の「倭姫命世記」の例は枕詞「かむかぜの(神風━)」と同様の地名「伊勢」のほめことばと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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