飛乗(読み)とびのり

精選版 日本国語大辞典 「飛乗」の意味・読み・例文・類語

とび‐のり【飛乗】

  1. 〘 名詞 〙
  2. とびのること。特に、進行中、または、まさに発車しようとする列車などの乗物に、とびついて乗ること。
    1. [初出の実例]「疾走を初めた二等室を追ひかけて飛び乗りをしようとする」(出典:駅夫日記(1907)〈白柳秀湖〉一〇)
  3. 船などへ乗客乗員として予定以外に臨時に乗り加わること。また、その人。
    1. [初出の実例]「楽阿彌は船賃もいださぬとびのりなれば」(出典:仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)一)
  4. 借切りでなく、道の途中で通りがかりの馬や人力車などに乗ること。
    1. [初出の実例]「飛乗の馬からふとや子規〈信徳〉 森の朝影狐ではないか〈芭蕉〉」(出典:俳諧・桃青三百韻附両吟二百韻(1678)延宝五之冬)
  5. 江戸時代、禁制を破り、長崎来航の外国貿易船でひそかに出国すること。また、その者。密航。〔通航一覧(1853)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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