日本大百科全書(ニッポニカ) 「食器戸棚」の意味・わかりやすい解説
食器戸棚
しょっきとだな
食物を保管するための戸棚で、和式と洋式がある。和式の古いものには御厨子(みずし)棚や御膳(ごぜん)棚があった。第二次世界大戦前の家庭には実用的で簡単な構造の「みずや」「はいちょう」とよぶ戸棚があったが、いまではまったく姿を消した。一方、装飾的なものとして茶だんすとよぶ形式があり、座敷用として現在でも使われている。
洋式のものとして本来はサイドボードsideboard、カップボードcupboardとがあった。前者は飾り棚ともよばれ、装飾用を兼ねていて、食器のほかに小物などを入れて居間や食堂に置いた。後者は食器専用のもので、主として食事室で使われていた。しかし日本の現状では両者の区別はほとんどなく、折衷形式が広く普及している。
[小原二郎]