御厨子(読み)ミズシ

デジタル大辞泉 「御厨子」の意味・読み・例文・類語

み‐ずし〔‐ヅシ〕【×厨子】

厨子を敬っていう語。
「唐の紙ども入れさせ給へる―開けさせ給ひて」〈賢木
御厨子所に仕える女官
「これも―がいとほしがりてゆづりて侍るなり」〈・二七八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御厨子」の意味・読み・例文・類語

み‐ずし‥ヅシ【御厨子】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接頭語 ) 厨子(ずし)を敬っていう語。
  2. 仏像を安置しておく具。仏龕(ぶつがん)
    1. [初出の実例]「守護神の御厨子の、扉はたちまち、四方へ開けて、傅大士二童子、現はれたり」(出典:謡曲・輪蔵(1541頃))
  3. 調度書画などを載せる置き棚。御厨子棚
    1. [初出の実例]「御文は、〈略〉人にてもふれさせ給はぬみづしにをさめさせ給て」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)
  4. 御厨子所の女官。
    1. [初出の実例]「その次には、まことにみづしが車にぞありければ」(出典:枕草子(10C終)二七八)
  5. 貴人の家で、台所働きをしている女。水仕事をする下女。水仕。
    1. [初出の実例]「あこぎ、御手水、粥いかで参らんと思ひて、みづしにやかたらはましと思へど」(出典:落窪物語(10C後)一)

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