食塩摂取量(読み)しょくえんせっしゅりょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「食塩摂取量」の意味・わかりやすい解説

食塩摂取量
しょくえんせっしゅりょう

人が1日に摂取する食塩の量。世界保健機関(WHO)が2013年1月に発表した「Sodium intake for adults and children(大人と子供のためのナトリウム摂取)」では、高血圧や心臓病などの慢性疾患を予防するため、成人は5グラム未満にすべきで、子供はそれよりも確実に少なくするように求めている。これまでWHOの国際高血圧学会は、高血圧の予防と治療のための指針として1日6グラム以下を勧告していた。

 調味料に食塩を使用する先進諸国のほとんどは、必要量を大きく上回って摂取しており、これが高血圧の一因になっている。2011年(平成23)の国民健康・栄養調査報告によると、日本人の食塩摂取量の平均は、成人男性が11.4グラム、成人女性が9.6グラムである。アメリカやヨーロッパ諸国の多くは、1日5グラム程度の摂取を推奨しているものの、厚生労働省はしょうゆみそなどの食塩系調味料を多く使用する和食の伝統型食生活における利点を維持するうえで、急激な減塩の推奨は現実的でないとして、男性9グラム未満、女性7.5グラム未満の目標を掲げている。

[編集部]

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世界大百科事典(旧版)内の食塩摂取量の言及

【食品】より

…疫学的調査によれば,低コレステロール血症は脳卒中(とくに脳出血)を起こしやすく,逆に高コレステロール血症は心筋梗塞を起こしやすいといい,血清コレステロール値とこれらの疾患の発生率の間に相関関係があることが報告されている。また同じ疫学的調査から,食塩摂取量と高血圧の関係も明らかにされている。食塩摂取量の多い地域あるいは集団では,高血圧症や,それによる合併症の発生率が高い。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」