食荒らす(読み)クイアラス

デジタル大辞泉 「食荒らす」の意味・読み・例文・類語

くい‐あら・す〔くひ‐〕【食(い)荒らす】

[動サ五(四)]
あれこれ乱暴に食べて損害を与える。「作物を野ネズミに―・される」
あれこれはしをつけて食い散らす。「ご馳走ちそうを―・す」
他の勢力範囲を侵して害を与える。「選挙地盤を―・す」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「食荒らす」の意味・読み・例文・類語

くい‐あら・すくひ‥【食荒】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 乱暴に食べたりかじったりして損害を与える。食べ散らしてすっかりだめにする。
    1. [初出の実例]「いのししの稲くひあらし、兎の豆畑にかよふなど」(出典:俳諧・幻住菴記(1690頃))
  3. あれこれ食べ散らす。食い散らす。
    1. [初出の実例]「今まで遊んでゐた漁夫共が喰荒らした蜜柑の皮」(出典:牛部屋の臭ひ(1916)〈正宗白鳥〉二)
  4. 他の勢力範囲に侵入して害を与える。他の分野を侵す。また、俗に、多く異性と交際する。
    1. [初出の実例]「男ぎらひを装ひながら、つぎつぎと男を喰ひ荒し」(出典:鏡子の家(1959)〈三島由紀夫〉一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android