み‐かん【蜜柑】
〘名〙
ミカン科の常緑小高木。高さ約三メートル。茎にはとげがない。葉は長卵形または
披針形で翼をもつ柄がある。
初夏、白い五弁花が咲く。
果実は扁球形で黄色に熟し、
芳香を放ち甘酸っぱい味がして生食される。古くから栽培されウンシュウ
ミカン・キシュウミカンなど種類が多い。みっかん。《季・冬》
▼みかんの花《季・夏》 〔撮壌集(1454)〕
[
語誌]この類では、古く「
柑子」が伝来し、「か
うじ」という字音語で呼ばれ、中古・
中世、「
今昔物語」や「
徒然草」に見られるように、おいしい果物として大切にされた。後に「蜜」のように甘い果汁の新
品種が伝えられ「蜜柑」と呼ばれた。当時はミッカンと音読することが多かったが、次第にミカンの形の方が一般化する。
近世にはその種類も多くなり、広く栽培もされて、ミカン類の
総称となった。
みっ‐かん【蜜柑】
※
看聞御記‐応永二七年(1420)一一月九日「当年蜜柑難
レ得也」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「蜜柑」の意味・読み・例文・類語
みかん【蜜柑】[書名]
芥川竜之介の短編小説。横須賀発の上り列車の二等客車の中の出来事を描く。大正8年(1919)5月、雑誌「新潮」に発表。当初は「私の出遇った事」の総題で発表された2編の小説のうちの1作で、のちに独立した作品として単行本に収録された。もう1作は「沼地」。
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出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報