食詰める(読み)クイツメル

デジタル大辞泉 「食詰める」の意味・読み・例文・類語

くい‐つ・める〔くひ‐〕【食(い)詰める】

[動マ下一][文]くひつ・む[マ下二]
借金不品行などのために暮らしが立たなくなる。「―・めて夜逃げをする」
歯を食いしばる。かみしめる。
「いつとなく歯を―・めて怒りておはしけるには」〈十訓抄・八〉

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精選版 日本国語大辞典 「食詰める」の意味・読み・例文・類語

くい‐つ・めるくひ‥【食詰】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]くひつ・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 食いしばる。かみしめる。
    1. [初出の実例]「いみじく腹あしくて、いつとなく歯をくひつめて怒りておはしけるには」(出典:十訓抄(1252)八)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]くひつ・む 〘 自動詞 マ行下二段活用 〙 不品行や経済的破綻(はたん)のために、正常な生活ができなくなる。暮らしにゆきづまる。
    1. [初出の実例]「京大阪も食ひつめて、又もお江戸へ住替への」(出典:歌舞伎・𢅻雑石尊贐(1823)序幕)

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