普及版 字通 「饋」の読み・字形・画数・意味


21画

[字音]
[字訓] おくる・おくりもの

[説文解字]

[字形] 形声
声符は貴(き)。〔説文〕五下に「餉(おく)るなり」、また字条に「田に餉るなり」とあって、農作の人に食を運ぶことをいう。のち人に遺贈する意となり、〔論語、陽貨〕「孔子に豚を歸(おく)る」、〔論語、微子〕「齊人、女樂を歸る」の歸(帰)を、〔古論〕にみな饋に作る。金文の〔段(だんき)〕に「大則を段に(おく)らしめたまふ」とあるが、もとの用義の字。大則は大鼎の意と思われる。

[訓義]
1. おくる、おくりもの。
2. 食事、食事をすすめる、食事をおくる。
3. 祭の名。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕饋 於久留(おくる)、、也志奈不(やしなふ) 〔名義抄〕饋 ウウ・クル・オクル 〔立〕饋 モチヰ・タムトシ・カロイ・イシ・オクル・カレイヒ・ソナフ・タマフ

[語系]
饋・餽giui、歸kiuiは声近く、饋送の義において通用する。

[熟語]
饋詒饋貽饋遺・饋・饋給饋献・饋歳饋祀・饋食饋饌饋薦饋膳・饋送・饋饋答・饋米饋養饋糧饋礼饋賂・饋路
[下接語]
一饋・遠饋・佳饋・饋・供饋・献饋・遣饋・厚饋・餉饋・親饋・牲饋・設饋・薦饋・饌饋・送饋・饋・致饋・陳饋・徹饋・餔饋・奉饋・糧饋

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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