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遺贈 いぞう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遺贈
いぞう

被相続人が遺言によって遺産を処分すること。遺言事項のうち最も重要なものであり,遺言が民法の相続編で規定される理由もここにある。遺産を包括的に処分するのでもよく (包括遺贈) ,特定財産を処分するのでもよい (特定遺贈) 。遺を受ける者 (受遺者) のうち,包括受遺者は相続人と同じ地位に立つ (民法 990) 。なお,死因贈与は生前に効果が発生し,しかも契約である点で遺贈と異なるが,遺贈の規定が準用される。 (→贈与 )  

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デジタル大辞泉の解説

い‐ぞう〔ヰ‐〕【遺贈】

[名](スル)遺言により、財産を他人に贈与すること。「コレクションを母校に遺贈する」

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百科事典マイペディアの解説

遺贈【いぞう】

遺言によって財産を無償でまたは負担付で他人に贈る行為。遺贈をすることは自由だが,遺留分を害することはできない。遺産の全部または何分の1と指定する包括遺贈と特定の財産を指定する特定遺贈とに分かれる(民法964条以下)。
→関連項目限定承認相続税

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世界大百科事典 第2版の解説

いぞう【遺贈 devise】

遺言によって財産を他人に無償で与えること。贈与贈与者の生前行為であり,しかも受贈者との契約であるのに対し,遺贈は遺言者の一方的意思表示によって,遺言者の死後に効力を生ずる単独行為である点で両者は異なる。また,贈与者の死亡によって効力を生ずる死因贈与も遺贈に近似するが,それは契約である点で遺贈とは異なる。遺贈には,包括名義で行われる包括遺贈と特定名義で行われる特定遺贈とがある(民法964条)。また,遺贈には負担をつけることもでき,これを負担付遺贈という(1002,1003,1027条)。

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大辞林 第三版の解説

いぞう【遺贈】

( 名 ) スル
遺言によって財産を他人に与えること。 「蔵書を母校に-する」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遺贈
いぞう

遺言(いごん)により無償で他人(受遺者)に財産を与える行為(民法986条~1003条)をさす。遺言でなしうる法律行為のなかで、もっともしばしば行われ、かつ重要なものである。受遺者には相続人を含めてだれでもなれるし、会社その他の法人も受遺者になることができるが、受遺者となるためには、遺言の効力発生時に存在していなくてはならない。また、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡した場合には、遺贈は失効して、遺言者がとくに意思表示をしない限り、受遺者の相続人が死者にかわって受遺者になることはできない(民法994条)。さらに、遺言者を殺そうとしたり、詐欺、強迫によって遺言させたり、遺言書を破棄した者は遺贈を受けることはできない。遺贈には、一般の財産処分と同じく、条件、期限をつけることができ、一定の負担を負わせること(たとえば、家を贈るかわりに毎年一定額を孤児院に寄付させるなど)ができるが、受遺者は遺贈の目的の価額を超えてその義務を履行する必要はない(同法1002条)。[高橋康之・野澤正充]

包括遺贈・特定遺贈

遺贈には包括遺贈と特定遺贈の区別がある。包括遺贈とは、遺産の3分の1とか4分の1とかいうように遺産全体に対する分量的割合で行われる遺贈をいい、包括受遺者は相続人と同じ権利・義務をもつものとされている(民法990条)。したがって、遺贈の承認、放棄は相続人のそれと同じ取扱いを受けることになる。特定遺贈とは、特定の財産(ある銀行の預金とか、どこそこの家屋など)を与えることを内容とする遺贈である。この場合は、受遺者は遺言者の死後いつでも遺贈の放棄をすることができる(同法986条)。そのほか民法は、相続財産に属しない権利を遺贈の目的とした場合(同法996条・997条)、不特定物の遺贈義務者の担保責任(同法998条)、第三者の権利の目的である財産を遺贈の目的とした場合(同法1000条)などに関して、かなり詳細な規定を置いている。なお、遺贈は相続人の遺留分(いりゅうぶん)を侵害することはできない。遺留分を侵害するような遺贈がされた場合、その遺贈は無効とはならないが、遺留分の権利者から減殺(げんさい)請求を受けた場合には、その分だけもらえなくなる(同法1031条)。[高橋康之・野澤正充]

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