香火(読み)コウカ

精選版 日本国語大辞典 「香火」の意味・読み・例文・類語

こう‐かカウクヮ【香火】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏前で焼香をするための火。
    1. [初出の実例]「夜残更になんなむとして寒磬尽きぬ、春香火に生って暁炉燃ゆ〈惟良春道〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)上)
    2. [その他の文献]〔白居易‐黒潭龍詩〕
  3. 寺で焼香をつかさどる者、すなわち僧。
    1. [初出の実例]「年老ひたる香火の秦公燭をつけ香を添る」(出典:通俗古今奇観(1814)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の香火の言及

【香】より

…六朝でも兜末,反生,驚精,神香などと呼ばれる西国渡来の香を焼くと,疫病を払い死者も香気を感じて生き返ると信じられていた。 香は仏教,道教の流行に伴う供養のための焚香,香飯,塗身のほか,とくに北朝,隋,唐では誓約のおりに香火が用いられた。これは,北方民族の突厥(とつくつ)等に認められる,鈴を鳴らし太鼓を叩き香木をたいてみずからを潔め災厄を払う習俗の影響があるかもしれない。…

※「香火」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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