普及版 字通 「馨(漢字)」の読み・字形・画数・意味
馨
人名用漢字 20画
[字訓] かおる
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(けい)。〔説文〕七上に「香のく聞ゆるなり」という。〔書、君陳〕に「黍稷(しょしょく)馨(かんば)しきに非ず、惟(こ)れ馨し」、また〔書、酒誥〕に「惟(こ)れの馨香の祀りて天に登聞するのみに弗(あら)ず」のように、徳にたとえていうことが多い。香の字形はもと黍(しよ)(きび)に従っており、香はもと黍酒の香をいう字であった。
[訓義]
1. かおる、かおり、酒や花のかおり。
2. こうばしい、うまいにおい。
3. 徳聞、ほまれ。
4. 語末につける助字。晋代の語。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕馨 カ・カノトホクカカユル・カウバシ・アマシ・カナラズ
[語系]
馨xyeng、香・xiangは声義が近い。(きよう)は〔説文新附〕一下に「气(こくき)なり」、また〔礼記、曲礼下〕「黍には合と曰ひ、粱にはと曰ふ」とあり、黍稷の香りをいう。馨はその芳烈のものをいう。
[熟語]
馨逸▶・馨気▶・馨香▶・馨徳▶・馨▶・馨聞▶・馨烈▶
[下接語]
遺馨・懐馨・潔馨・清馨・徳馨・寧馨・馨・芳馨・明馨・余馨・蘭馨・流馨
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報