現在、子の名に使える漢字は法令や公用文書、新聞、放送など一般の社会生活で使う「常用漢字」2136字と、法務省令で定める「人名用漢字」861字(異体字を含む)の計2997字に限定される。人名用漢字は追加の要望や司法判断などを受けて見直しが重ねられており、2004年には計698字が追加された。漢字の読みについて制限はない。
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…第14期国語審議会(1979‐81)は81年3月,1945字の〈常用漢字表〉を文部大臣に答申した。政府はこれを受け,同年10月1日,内閣から告示,実施に踏み切った(なお,人名用漢字別表の枠は,1976年の追加を経て81年には166字まで拡大された)。 戦後の国語国字問題は,敗戦直後の混乱期に十分な調査研究をする余裕もなく,またローマ字運動家,仮名文字運動家たちの主張の線でまとめられたため,漢字仮名交り文を中心とすると種々の問題があり,ことに国語の表記全体を軽視する風潮を社会一般に与えた点に問題がある。…
…当用漢字は,明治以来の国字問題の一つの課題であった漢字制限が初めて実現したもので,事実,〈法令・公用文書や教育〉をはじめ〈新聞・雑誌・放送その他一般社会に採用され,相応の効果を挙げた〉(常用漢字表前文)といえる。内閣訓令はもともと法令・公用文書だけを規制するものであるが,それが教育に及んだことと,他に,子の名の漢字に法的な制限が加えられたこと(1951年に公布された〈人名用漢字別表〉では,1850字プラス92字しか子の名の漢字として使えなくなった),さらに,制限的な性格から仮名書きの部分がふえて読みにくくなったこと,1語が漢字と仮名のまぜ書きで視覚的なまとまりが悪くなったこと,また,別の語に言いかえなくてはならなくなったことなどのために批判が高まった。これを受けて,66年6月以降,国語審議会は当用漢字の改定を始め,72年6月〈当用漢字改定音訓表〉を答申したものが翌年6月に公布された。…
※「人名用漢字」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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