馬室郷(読み)まむろごう

日本歴史地名大系 「馬室郷」の解説

馬室郷
まむろごう

荒川左岸、現滝馬室たきまむろおよび原馬室はらまむろ地区一帯に比定される。応永二年(一三九五)七月二四日に前将軍足利義満は前関東管領上杉(山内)憲方跡の所領をその子憲定に安堵しており(「足利義満御判御教書」上杉家文書)、そのなかに馬室郷が含まれていた(応永三年七月二三日「斯波義将施行状」同文書)上杉憲定は同一〇年一月一六日、馬室郷五分一などを鎌倉明月めいげつ院に寄進した(「上杉憲定寄進状」明月院文書)。同一二年五月一二日の恵範証文(同文書)によれば、侍従恵範は明月院開基である上杉憲方(明月院殿)菩提を弔うために、上杉氏家臣大石大炊助を檀那としてともに馬室郷に大工山妙楽みようらく寺を建立、明月院の末寺としている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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