鴻巣市(読み)コウノスシ

デジタル大辞泉 「鴻巣市」の意味・読み・例文・類語

こうのす‐し【鴻巣市】

鴻巣

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日本歴史地名大系 「鴻巣市」の解説

鴻巣市
こうのすし

面積:三五・八八平方キロ

県中央よりやや東に位置し、東は北埼玉郡騎西きさい町・南埼玉郡菖蒲しようぶ町、西は北足立郡吹上ふきあげ町と旧荒川を境として比企郡吉見よしみ町、南は桶川市・北本市、北は行田市・北埼玉郡川里かわさと村に接する。西を荒川が南流し、北境から南東へと元荒川が流下し、市域は大宮台地の北西端台地とその周囲の川沿いの低地からなる。ほぼ中央部を旧中山道を挟んでJR高崎線と国道一七号が南東から北西へ通り、東部を上越新幹線が通過する。

〔原始・古代〕

旧石器時代の遺物は台地上の新屋敷しんやしき城山しろやま赤台あかだいなどで発見され、埋没台地に形成された中三谷なかさんや遺跡ではナイフ形石器・掻器・削器・石核などまとまった石器群が出土している。縄文時代の遺跡は富士山南ふじやまみなみ(草創期―中期)馬室小校庭内まむろしようこうていない(早期―中期)・赤台(後期)・城山(早期―後期)登戸新田北のぼりとしんでんきた(早期―中期)権現ごんげん(早期―後期)・中三谷(後・晩期)など、台地周縁部に数多く分布している。東京国立博物館所蔵の滝馬室たきまむろ出土ミミズク土偶は後期後半の代表的資料である。弥生時代の遺跡は少ないが、登戸新田遺跡から方形周溝墓が発見されている。古墳時代に入ると、赤台・下閭しもさと大間原おおまはら生出塚おいねづかなどの遺跡で集落が形成される。古墳群は元荒川流域の笠原かさはら安養寺あんようじ・生出塚の各古墳群、荒川流域の馬室・箕田みだの各古墳群などが知られ、五世紀後半から七世紀初頭頃の築造とされる。また馬室埴輪窯跡群・生出塚埴輪窯跡群の二大埴輪製作遺跡があり、前者では八基、後者では三〇基以上の窯跡や工房跡一、粘土採掘坑が調査されている。

「日本書紀」安閑天皇元年閏一二月条には、笠原直使主と同族の小杵が武蔵国造の地位をめぐって争ったという記事がある。笠原直使主は「和名抄」記載の埼玉郡笠原郷(現笠原辺りに比定される)を本拠とした豪族と推定される。律令制下では市域は現在の元荒川を境に右岸は足立郡、左岸は埼玉郡に属した。「和名抄」所載の足立郡の郷のうち、堀津ほつと郷を登戸を中心とする地域、余戸あまるべ郷を市域に比定する考えがある。延喜一九年(九一九)五月二三日、前武蔵権介源任(仕か)の濫行が中央政府に報告されている(扶桑略記)。源仕は箕田に居住して箕田源氏の祖となったとされる(風土記稿)。仕の孫渡辺綱は「松浦系図」によれば「武州箕田」の生れとされ、同地には箕田源氏の館跡とされる伝承地がある。また大間おおまには平将門の乱のきっかけをつくった源経基の館跡とされる伝承地が残り、箕田には経基の陣所と伝える所があるが(風土記稿)、いずれの伝承も疑わしい


鴻巣市
こうのすし

2005年10月1日:鴻巣市が北足立郡吹上町、北埼玉郡川里町を編入
【吹上町】埼玉県:北足立郡
【鴻巣市】埼玉県
【川里町】[変更地名]埼玉県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鴻巣市」の意味・わかりやすい解説

鴻巣〔市〕
こうのす

埼玉県中北部,荒川元荒川沖積低地と,その中間の大宮台地上にある市。 1954年鴻巣町と箕田村,田間宮村,馬室村,笠原村の4村が合体,さらに常光村も編入して市制。 2005年吹上町と川里町を編入。中心市街地の鴻巣は,大宮台地の北端に立地し,江戸時代は中山道の宿場町,市場町として発展。4と9の日には市が立った。元禄年間 (1688~1704) の頃より土人形の製作が始まり,江戸時代末期には雛人形がつくられ,江戸をはじめ関東一円に鴻巣雛として売られた。現在でも五月人形などを特産。市域のほぼ中央を北上する国道 17号線沿いには自動車部品,印刷,紙加工品,輸送機械などの工場が進出。 JR高崎線の沿線には住宅団地が建設されるなど,都市化が著しい。北西部の寺谷ではシクラメンパンジーヒナギクセキチクなどの草木栽培が行なわれ,花卉卸売市場がある。生出塚 (おいねづか) の埴輪窯跡出土品は国の重要文化財に指定。面積 67.44km2。人口 11万6828(2020)。

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