騎士領(読み)きしりょう

世界大百科事典 第2版の解説

きしりょう【騎士領 Rittergut】

広義には,その領有者が封主に対して騎士としての軍役奉仕を義務づけられている所領。狭義には神聖ローマ帝国で,領邦君主が騎士資格ある農村貴族に公認していた特権的所領。領有者は,君主に軍役奉仕を負うのと引換えに,通常邦租(直接税)の減免,通行税の免除,領邦議会の成員資格,狩猟権,水車独占権などを享有した。とくにエルベ川以東の植民地域の諸領邦では,15世紀中葉以降,軍制の変化や穀物輸出の活況に伴い,騎士による農民保有地の領主直営農場(グート)への編入,グートに緊縛され重い賦役に喘(あえ)ぐ世襲隷属農民に対する下級裁判権・警察権の行使が常態化し,騎士領は治外法権区の性格を帯びた。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

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