騎射笠(読み)きしゃがさ

精選版 日本国語大辞典 「騎射笠」の意味・読み・例文・類語

きしゃ‐がさ【騎射笠】

〘名〙 反笠(そりがさ)一つ。竹製網代編みで、溜塗(ためぬり)にしたもの。徳川吉宗が、復活した騎射挟物(きしゃはさみもの)のとき用いたことによる。時に武士が馬で遠行する際にも用いた。
洒落本・卯地臭意(1783)「あいつらが顔は、旦那騎射(キシャ)がさを見るやうに、しゃくんで居るし」

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デジタル大辞泉 「騎射笠」の意味・読み・例文・類語

きしゃ‐がさ【騎射×笠】

江戸時代、武士が騎射や馬での遠行のときに用いた竹製網代あじろ編みの笠。

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世界大百科事典(旧版)内の騎射笠の言及

【笠】より

…材料から藺笠,菅笠,竹笠,檜(ひ)笠,藤笠などと呼ばれ,製作上からは編笠,縫笠,組笠,網代(あじろ)笠,塗笠,張笠,綾藺笠などがあった。形の上から平笠,尖(とがり)笠,褄折(つまおり)笠,桔梗(ききよう)笠などがあり,用途上から雨笠,陽笠,祭りや踊りに用いる花笠,戦陣で下級武士のかぶった陣笠や騎射に用いた騎射笠などと呼ばれるものがあった。着用者別には市女笠,三度飛脚の三度笠,六部笠,女笠など,また,韮山(にらやま)代官江川太郎左衛門がつくったといわれる韮山笠や加賀笠のように地名を冠したもの,吉弥笠など人名にちなむものもあった(図)。…

※「騎射笠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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