デジタル大辞泉
「騎射」の意味・読み・例文・類語
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き‐しゃ【騎射】
- 〘 名詞 〙
- ① 馬上で弓に矢をつがえて射ること。うまゆみ。⇔歩射(ぶしゃ)。
- [初出の実例]「禁二山背国賀茂祭祭日会レ衆騎射一」(出典:続日本紀‐文武二年(698)三月辛巳)
- 「騎射(キシャ)馳突の兵共三千余騎にて扣(ひか)へたり」(出典:太平記(14C後)三九)
- ② 馬上で弓を射る行事。宮廷では五月五日の騎射、武家では流鏑馬(やぶさめ)、笠懸(かさがけ)、犬追物(いぬおうもの)など、その種類が多い。
- [初出の実例]「天皇御二南野榭一観二餝騎騎射一」(出典:続日本紀‐神亀四年(727)五月丙子)
- 「右近馬場の騎射わろく射たりとて」(出典:古事談(1212‐15頃)六)
うま‐ゆみ【騎射・馬射】
- 〘 名詞 〙 馬に乗ったままで弓を射ること。端午の節会(せちえ)に行なう騎射(きしゃ)の儀をはじめ、流鏑馬(やぶさめ)、笠懸、犬追物などのすべてについていう。まゆみ。きしゃ。⇔歩射(かちゆみ)。
- [初出の実例]「河内国の依網(よさむ)の屯倉(みやけ)の前に翹岐等を召(よ)んで射
(ウマユミ)を観せ令む」(出典:日本書紀(720)皇極元年五月(図書寮本訓)) - 「木の皮を手綱として、騎射(ウマユミ)遠射(とおがけ)を習はし」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)続)
ま‐ゆみ【騎射・馬射】
- 〘 名詞 〙 =うまゆみ(騎射)
- [初出の実例]「節する時のまゆみ、競馬も、更に見所なしかし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「騎射」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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騎射
きしゃ
騎馬で的を射る弓技。馬射とも書き、「うまゆみ」とも訓(よ)む。朝廷では5月5日の端午の節日に、天皇が武徳殿に臨幸して衛府の官人の騎射を御覧になるのが例であり、これを騎射の節ともよぶ。騎射に先だつ4月28日(小の月は27日)には、天皇が櫪飼(いたがい)(馬寮(めりょう)の厩(うまや)で飼養)・国飼(諸国の牧から貢進)の馬を武徳殿で閲する駒牽(こまひき)の儀があり、また節日を挟む5月3~6日には左右衛府の手結(てつがい)も行われた。後の武家の流鏑馬(やぶさめ)につながるものである。
[杉本一樹]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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騎射
きしゃ
馬に乗り弓矢を射る技芸
古代,朝廷では5月5日を中心に近衛府・兵衛府などが府ごとに射芸を競った。中世の武家社会では犬追物 (いぬおうもの) ・笠懸 (かさがけ) ・流鏑馬 (やぶさめ) のいわゆる騎射三物 (みつもの) が武芸の修練を兼ねた遊びとして盛んに行われた。
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の騎射の言及
【端午】より
…また,奇(くす)しく霊なる意味から薬の玉を室内に飾り,身につけ,邪気をはらう意があった薬玉(くすだま)は,寿命を延べることから続命縷(しよくめいる)と称し,五色の糸で作り季節の花を,それにつけて贈答する風もあった。平安時代には,天皇が武徳殿に出席して騎射(うまゆみ)と競馬が5日,6日の2日間にわたって行われ,のち宴が催された。武家時代には,印地打(いんじうち)([印地]。…
【手結】より
…射術を競う朝廷の年中行事である[射礼](じやらい),[賭射](のりゆみ),騎射(うまゆみ)の前に行う武芸演習をいう。手は射手,結は番(つがう)(2人を組み合わせる)の意味。…
【的】より
…海上射撃では水上を曳航(えいこう)される的を船上あるいは海岸から射撃する。[アーチェリー][射撃競技]【妹尾 幹】
[日本]
弓矢の的には鍛錬用と歩射(かちゆみ∥ぶしや)用,騎射(うまゆみ)用の別がある。射法を鍛錬するためには〈つくら〉といって〈ねこがき〉または〈ねこた〉という織り方のむしろを巻いて作り,台の上にすえて小口を射るのを例とした。…
※「騎射」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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