朝日日本歴史人物事典 「高階光子」の解説
高階光子
平安中期の女官。敦成親王呪詛事件の首謀者。一条天皇の皇后・中宮藤原定子の宣旨,従五位下。定子の子敦康親王の乳母とも。高二位成忠の娘。姉は藤原道隆の妻で定子の母高内侍,夫は富裕な信濃守佐伯公行。寛弘6(1009)年2月,定子のライバルであった藤原道長と一条天皇中宮彰子,その息子敦成親王を呪詛するために,源方理やその妻たちと厭符の製作を僧円能らに依頼したことが発覚。2月20日に官位剥奪のうえ逮捕され,定子の兄伊周は朝参を停止された。高階家の学才と信仰と呪術を受け継いだ彼女の行為が,一家や主人家の凋落を招く結果となった。<参考文献>藤本一恵「高階成忠女考」(『女子大国文』1963年10月号),「高階光子の悲劇」(『角田文衛著作集』6巻)
(服藤早苗)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報