鬩ぐ(読み)セメグ

デジタル大辞泉 「鬩ぐ」の意味・読み・例文・類語

せめ・ぐ【×鬩ぐ】

[動ガ五(四)]《古くは「せめく」とも》
互いに憎み争う。
「我が先へそなたは後にと兄弟争い―・いだ末」〈露伴五重塔
責め苦しめる。
「老いぬとてなどかわが身を―・ぎけむ老いずは今日にあはましものか」〈古今・雑上〉

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精選版 日本国語大辞典 「鬩ぐ」の意味・読み・例文・類語

せめ・ぐ【鬩】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ガ四段活用 〙 ( 古くは「せめく」 ) 互いに争う。→かき(墻)に鬩(せめ)ぐけいてい(兄弟)牆(かき)にせめぐ
    1. [初出の実例]「佷 世女久」(出典:新撰字鏡(898‐901頃))
    2. 「同時に彼の胸の中に矛盾した二つの情緒がせめいだ」(出典:蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉二)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ガ四段活用 〙 せめさいなむ。うらみうったえる。
    1. [初出の実例]「老いぬとてなどか我が身をせめきけん老いずは今日に逢はましものを〈藤原敏行〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑上・九〇三)

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