精選版 日本国語大辞典 「新撰字鏡」の意味・読み・例文・類語
しんせんじきょう ‥ジキャウ【新撰字鏡】
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漢和辞書。12巻。昌住(しょうじゅう)撰。892年(寛平4)に草案成立後、さらに加筆して昌泰(しょうたい)年間(898~901)に現存の12巻に増補改編された。部首別に漢字を掲出して、字音注を施し、漢文で意味を記し、万葉仮名で和訓を付す。漢和辞書としてはわが国最古のものである。部首の配列は、現行とは異なり、天部、日部、月部などという中国の類書などと同じである。掲出字は約2万1000で、そのうち1万6300余字は偏旁(へんぼう)によって分類し、同じ部首内を四声によって分けている部分もある。和訓が約3700条にみえ、和音も70ほど記されている。奈良時代語のおもかげを伝える語彙(ごい)が多く、上代特殊仮名遣い崩壊後も本書にはコの甲乙2類が保たれている。
[沖森卓也]
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平安前期の代表的な漢和古辞書。字形引辞書の体裁をとる。昌住(しょうじゅう)撰。892年(寛平4)に草案3巻がなり,昌泰年中(898~901)中国の辞書によって大幅な増補が行われ12巻本となった。漢字2万1300字を偏と旁(つくり)とによって分類し,発音・意味を注している。一部に万葉仮名による和訓も付される。「玉篇」「切韻」「楊氏漢語抄」「弁色立成」などの古辞書の逸文や異体字を多く含み,また当時の通用の字音を知りうる点でも貴重な史料。「群書類従」所収。
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…江戸時代までに実用された国字で,一般人の目にも触れたのは,《節用集》の末書や往来の付録に見えるものから考えると,さして多くはなく,新井白石《同文通考》,伴直方(ばんなおかた)《国字考》などで学者の集成して論じたものを総計しても,150種にみたない。しかし平安時代前期の漢字字書《新撰字鏡(しんせんじきよう)》の挙げる小学篇字約400が,古い国字の例だといわれ,これには魚の名や植物の名にあたるものが多い。【山田 俊雄】。…
…菅原是善(これよし)(道真の父)の《東宮切韻(とうぐうせついん)》は847‐850年(承和14‐嘉祥3)の間に成立したといわれ,中国の14種の《切韻》を集成し,漢字を韻によって分類し,その音や意味をしるし,和訓はないようであるが,これも原本は散逸した。つづいて出たのが《新撰字鏡(しんせんじきよう)》12巻で,僧昌住の著,昌泰年間(898‐901)に増補が成立した。漢字を字形によって偏旁に分類したものであるが,漢文の注のあとに,万葉仮名で和訓を書き添えてある点は現存する最古のものである。…
…875年(貞観17),宮廷の文庫冷泉院の焼失を機に反省がおこり,中国から渡来した本を確認するため宇多天皇の命で藤原佐世(すけよ)撰述による《日本国見在書目録(にほんこくげんざいしよもくろく)》がつくられる。さらに日中文化の接触にはまず漢字書(辞書)が必要だとされ昌住による《新撰字鏡》が成立する。このような気運のもとで,多くの図書を集め多くの人の閲覧に供するという狭義での図書館も誕生することになった。…
※「新撰字鏡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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