家庭医学館 「うっ血乳頭」の解説
うっけつにゅうとう【うっ血乳頭 Choked Disc】
脳圧亢進(のうあつこうしん)(脳の中の圧が高くなる)のため、眼底検査で視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)に強い浮腫(ふしゅ)(むくみ)がみられる状態をいいます。脳腫瘍(のうしゅよう)や脳出血などの頭蓋内疾患(ずがいないしっかん)の診断の重要な所見の1つです。
両眼にみられ、初めは視力低下はありません。頭痛、吐(は)き気(け)、めまいなどの自覚症状があるため、神経内科や脳外科を受診し、眼底検査で発見されることも少なくありません。
[治療]
うっ血乳頭が発見されれば、頭部のCTやMRI検査が行なわれ、頭蓋内病変の発見に努めます。脳圧が下がると乳頭の浮腫はとれます。
浮腫が長く続くと視神経が萎縮(いしゅく)して視力低下をおこし、治らないことがあるので、できるだけ早く頭蓋内疾患の治療を行なって脳圧を下げます。