鬼戸窯跡（読み）おにどがまあと

日本歴史地名大系

鬼戸窯跡
おにどがまあと

• 長野県：岡谷市
• 三沢村
• 鬼戸窯跡

[現在地名]岡谷市川岸 三沢鬼戸

三沢の高尾（みさわのたかお）山南麓、天竜川に注ぐ水量の豊富なヨモギ沢の末端部に南面している崖面にある窯跡。昭和二六年（一九五一）に六メートルの間隔で並行している二基が発掘調査されている。いずれも崖斜面を利用した登窯で、一号窯は奥行五・五メートル、焚口幅一・二五メートル、最奥部幅〇・七メートル、焚口部と窯奥との高低差は約二メートルで、窯口に近い部分は平坦で、奥ほど傾斜を増す無段の形態をとる。出土遺物は須恵器大甕と破片で、この中にわずか円筒埴輪片が混在している。二号窯は奥行六・五メートル、幅員一・五メートルで、窯床には二度にわたる改修があり、上部は五段からなる有段登窯で、多量の円筒埴輪破片が遺存、下部は一号窯同様の無段形式で、須恵器坏・・坩・蓋・高坏を検出した。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」