魔鏡現象(読み)まきょうげんしょう(英語表記)magic mirror phenomenon

共同通信ニュース用語解説 「魔鏡現象」の解説

魔鏡現象

金属製の鏡に光を当てて反射させると、裏面文様が映し出される現象鏡面を研磨すると、肉厚部の鏡面は削られてへこむのに対し、肉薄部の鏡面は金属がたわむため削られる量が少なく、相対的に出っ張りとなる。光を当てると凹部は集約して明るく、凸部は散乱して暗く映る。中国では紀元前1世紀ごろから「透光鑑」と呼ばれる魔鏡が作られ、江戸時代の日本でも隠れキリシタン十字架などが現れる鏡を使っていた。明治時代に来日した欧米人がマジックミラーと呼び、魔鏡という名称が定着した。

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知恵蔵mini 「魔鏡現象」の解説

魔鏡現象

鏡に光を当てた時、反射した光が文様を映し出す現象のこと。鏡面の1000分の1ミリ単位の凹凸によって像が結ばれ光の文様となって見える。現存する最も古いものは中国の「透光鑑」(紀元前1世紀頃)とされ、日本では江戸時代、「隠れキリシタン」がキリストの像を映し出す鏡として秘蔵していたことでも知られる。2014年1月、3世紀頃の日本の古墳から出土した「三角縁神獣鏡」を3Dプリンターなどを使い忠実に再現し光を当てたところ、鏡裏面の文様が映る魔鏡現象が起きたことを、京都国立博物館などの研究グループが明らかにした。

(2014-1-31)

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