精選版 日本国語大辞典 「鮃」の意味・読み・例文・類語
ひら‐め【鮃・平目・比目魚】
- 〘 名詞 〙
- ① カレイ目ヒラメ科の海産魚。全長約八〇センチメートルに達する。体はいちじるしく側扁し、木の葉状。両眼は体の左側にあり、俗に「左ビラメの右カレイ」といってカレイと区別されるが、カレイ類には例外もある。カレイ科の魚より口が大きく、歯の発達がよい。体の有眼側は褐色で、黒褐色や黄色の斑点が散在し、無眼側は白色を帯びる。周囲の色に応じてかなり体色変化をする。千島列島以南、南シナ海まで分布し、沿岸の砂底上にすむ。底引き網などで漁獲。近年は盛んに養殖されている。特に、秋から早春にかけて美味。《 季語・冬 》
- [初出の実例]「かれい。ひらめ。かためとも」(出典:大上臈御名之事(16C前か))
- ② ヒラメ科とその近縁な科に属するものの総称。ガンゾウビラメなど。
鮃の補助注記
古くはヒラメとカレイの間の区別は明確ではなく、ヒラメはカレイの一種という扱いであった。