日本大百科全書(ニッポニカ) 「鯨ろう」の意味・わかりやすい解説 鯨ろうげいろう / 鯨蝋spermaceti マッコウクジラおよびツチクジラの脳油(のうゆ)中の固形部分をいう。脳油を冷却して鯨ろうを圧搾分離する。粗ろうは淡黄色で魚油臭をもつ。アルカリ液で煮沸精製すれば、無臭の白色結晶性物質として鯨ろうを得る。主成分はパルミチン酸セチルである。ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸などのエステルなどを少量含有している。融点40~54℃。ろうそく、つや出し、化粧品に使用される。[福住一雄] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例