鱗模様(読み)うろこもよう

改訂新版 世界大百科事典 「鱗模様」の意味・わかりやすい解説

鱗模様 (うろこもよう)

二等辺三角形を一単位とする幾何学的な連続文様で,この単位を上下左右につないだもの。その形状が魚鱗を思わせるところから名づけられたものであろう。幾何学文様としては,三角形の単位を並列させた鋸歯文,斜めに並べた階段文も広くみられる。また半円形を魚鱗状に重ねる鱗文もギリシア,ローマ,西アジアで多く見られる。三角形の鱗文は,発生も古く,世界各地に分布している。トルキスタン,アナウ遺跡出土の彩陶(前4000ころ)や日本の古墳壁画にもみられる。日本では,奈良・平安時代に用いられた例はきわめて少なく,鎌倉時代から再び武器・武具類の装飾,〈北条鱗〉などの家紋旗印に多用された。また能で蛇体の女の着る装束が鱗文の摺箔(すりはく)であることもよく知られている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 一条

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む