鴨田村(読み)かもだむら

日本歴史地名大系 「鴨田村」の解説

鴨田村
かもだむら

[現在地名]岡崎市鴨田町・鴨田本かもだほん町・鴨田南かもだみなみ

岡崎城の北方大樹だいじゆ寺東側一帯の村で、足助あすけ街道が通じていた。北に百々どうど村、南東井田いだ村が接していた。平城宮出土木簡に「参河国□多郡鴨田郷厚石里□」とあるのが初見で、厚石はアツイワとよみ、式内社謁播あつわ神社の所在する阿知和あちわのことであろう。「和名抄」には額田郡八郷として鴨田郷があるので、青木あおき川の三角州とその東方洪積台地にまたがる地域を郷域としていたとみられる。


鴨田村
かもだむら

[現在地名]川越市鴨田

伊佐沼いさぬま村の東の低平地に立地。北から東境入間いるま川の古川が流れる。文和三年(一三五四)一一月一八日の二階堂成藤奉書写(松平義行氏所蔵文書)に「武蔵国鴨志田郷之内比企弥太郎跡」とみえ、久下千松丸からの訴えを受けた鎌倉府は鴨志田郷内の地につき問いただすため恩田左近将監を召喚するようにと村岡藤内兵衛入道に命じている。小田原衆所領役帳に江戸衆の太田新次郎の所領として「八貫五百文 川越鴨田」、他国衆の三戸十郎の所領として「廿二貫文 入東上鴨田」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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