鴨郷(読み)かもごう

日本歴史地名大系 「鴨郷」の解説

鴨郷
かもごう

「日本霊異記」および「今昔物語集」にみえる郷名。霊異記中巻三(悪逆の子、妻を愛で、母を殺さむとして謀り、現に悪死を被る縁)に、聖武天皇の時に防人にあてられ、妻をのこし母と筑紫に赴任した多摩郡鴨里の人吉志火麻呂が、妻恋しさに母を殺害して帰郷しようとし、裂けた地に陥落した説話がみえている。「今昔物語集」巻二〇に載る説話も同一内容である。ただし、同書では鴨里が鴨郷になっている。霊亀元年(七一五)を境に従前の里は郷に改められているので、聖武天皇朝の当時においては鴨郷とあるべきところを、以前の用法を踏襲し「日本霊異記」でも鴨里としているのであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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