鷺森御坊(読み)さぎのもりごぼう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鷺森御坊」の意味・わかりやすい解説

鷺森御坊
さぎのもりごぼう

和歌山市鷺ノ森にある浄土真宗本願寺派別院。正しくは鷺森別院とよぶ。1476年(文明8)、蓮如(れんにょ)に深く帰依(きえ)した紀伊阿間(あま)郡冷水(しみず)浦(海南市冷水)の了賢(りょうけん)が飯盛(いいもり)山に道場を設け、法流を伝えんとしたのに始まると伝える。その後、寺地は転々としたが、1563年(永禄6)顕如(けんにょ)のとき、雑賀(さいか)の僧俗の議により現在地に移された。1580年(天正8)織田信長和睦(わぼく)した顕如は、大坂の石山本願寺を去ってここに移り、以後和泉(いずみ)(大阪府)貝塚に移るまでの4年間、本山となった。京都に本願寺が建立されてからは、本山別院として留守(るす)(輪番)が置かれるようになった。

[瓜生津隆真]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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