麦索(読み)ムギナワ

デジタル大辞泉 「麦索」の意味・読み・例文・類語

むぎ‐なわ〔‐なは〕【麦索/麦縄】

索餅さくべい」に同じ。〈和名抄
素麺そうめん、または冷や麦のこと。
「夏の頃ほひ、―多く出で来けるを」〈今昔一九・二二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「麦索」の意味・読み・例文・類語

むぎ‐なわ‥なは【麦索・麦縄】

  1. 〘 名詞 〙
  2. さくべい(索餠)
    1. [初出の実例]「麦縄陸伯参拾了」(出典:正倉院文書‐天平六年(734)五月一日・造仏所作物帳断簡)
  3. 饂飩(うどん)または冷麦(ひやむぎ)素麺(そうめん)をいう。
    1. [初出の実例]「夏の比麦縄多く出来けるを」(出典:今昔物語集(1120頃か)一九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の麦索の言及

【ざる(笊)】より

…水が漏れるところから,むだの多いことのたとえに〈ざるに水〉,へたな碁を〈ざる碁〉などという。10世紀の《和名抄》は笊籬(そうり)の字をあてて〈むぎすくい〉と読み,麦索(むぎなわ)を煮る籠としているが,15世紀の《下学集》は笊籬を〈いかき〉と読み,味噌漉(みそこし)としている。いまでも京阪では〈いかき〉,東京では〈ざる〉と呼ぶが,語源については〈いかき〉は〈湯かけ〉から,〈ざる〉は〈そうり〉から転じたなどとされる。…

※「麦索」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android