黄氏日鈔(読み)こうしにっしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黄氏日鈔」の意味・わかりやすい解説

黄氏日鈔
こうしにっしょう

中国、宋(そう)の儒者黄震(こうしん)の撰(せん)。97巻。「読孝経」「読論語」「読孟子(もうし)」「読毛詩」以下、巻68の「読文集」に至るまでは、『経伝』をはじめ諸書を読んで筆に従って箚記(さっき)し、自らの意見によって論断を加えたもの。巻69以後は「申明(しんめい)」「公移(こうい)」から「墓誌銘」に及ぶまで撰者雑文を収める。『経伝』以下の書に対する論断は、仏教と老荘の説を排し、陸九淵(りくきゅうえん)、王安石(あんせき)らの説を退けて、朱熹(しゅき)(朱子)の学説を発展させてゆく点に主力が注がれた。しかし、広く諸家の意見を紹介するとともに、いわゆる「門戸の見」がなく、公平を持して、朱熹の説の捨てるべきものは捨てており、その見識篤実なことには後世高い評価が与えられている。

[村山吉廣]

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